スペース・ウォーズ
V1という結果を残したことで“平尾理論”に確信を持った神戸製鋼は、続く89-90年度のシーズンを順調に勝ち進んだ。なにしろ某東日本社会人リーグ参加テームの監督が、「神戸製鋼が強いと言われているけど、スクラムで厳しいプレッシャーをかければ、あのラグビーは機能しなくなるんじゃないかな」と語ったように、対戦チームの理論レヴェルがほとんど土がっていなかったのだから、楽勝だった。
とはいえ、ビッグ・バンのエネルギーが、この小宇宙にまったく影響しなかったわけではない。それは、日本代表という思わぬところに波及して、相手がベスト・メンバーではなかったとはいえ、スコットランドXVを破る望外の結果をもたらした。